2009年6月20日土曜日

2008年観劇記録

今日は今更と言われそうですが、2008年に観に行った芝居の中で、印象に残った作品を挙げたいと思います。

○”春琴” サイモン・マクバーニー 世田谷パブリックシアター
○”顔よ” ポツドール 本多劇場
○”どん底” ケラリーノ・サンドロビッチ シアターコクーン
○”焼肉ドラゴン” 鄭義信 新国立劇場小劇場
○”父と暮らせば” こまつ座 紀伊国屋サザンシアター
○”まほろば” 蓬莱竜太 新国立劇場小劇場
○”sister” 長塚圭史 パルコ劇場
○”人形の家” デヴィッド・ルヴォー シアターコクーン
○”シャープさんフラットさん” NYLON100℃ 本多劇場
○”The Diver(ザ・ダイバー)” 野田秀樹 シアタートラム
○”幸せ最高ありがとうマジで!” 本谷有希子 パルコ劇場
○”太鼓たたいて笛ふいて” こまつ座 紀伊国屋サザンシアター

演目の後ろは劇団名もしくは作・演出家で、順番は優越ではなく、観に行った順番です。
そしてあくまでも私見です。書いているうちに、やっぱり偏っているな(作家や出演している役者や会場等を考えると)と自分でも感じました。

ひとつひとつの感想や印象についてはおいおい書こうと思いますが、今回は2作品について紹介します。
本谷有希子作・演出の”幸せ最高ありがとうマジで!”と蓬莱竜太作・演出の”まほろば”です。実はこの2人は、この作品で2009年岸田國士戯曲賞に選ばれています。岸田國士戯曲賞と言うと、写真では木村伊兵衛賞に当たるのではないでしょうか。いつも演劇界の芥川賞と称されます。(○○界の芥川賞と言う表現がとても多いですが)2人共ここ数年何度かノミネートまではされていましたが、今回めでたく同時受賞となったわけです。

本谷さんの方は、文筆・ラジオ等メディアでも取り上げられているので、ご存知の方もいらっしゃると思います。映画にもなった”腑抜けども、悲しみの愛を見せろ”が演劇でのデビュー作で、女の病気シリーズと銘打って5作程上演をしていました。自身の容姿からは想像出来ないようなどろどろとした女の情念や妄想、倒錯した姿を描いていました。本作も強烈な個性の女性が主役で、最後はちょっと悲しい気分になりました。

一方、蓬莱さんは劇団モダンスイマーズの座付き作・演出家で、劇団全公演を行いながら、舞台版”世界の中心で、愛をさけぶ”や”東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~”と言った話題作の脚本・演出もしています。モダンスイマーズでは骨太の作品が多かったのですが、外部演出によりその幅が拡がっているように見えました。今回の受賞作は、出演者が女性だけの3世代の物語で、よくもこんな台詞や感情表現を演出出来るものだと感心させられました。

岸田國士戯曲賞に対する世間の評価もさまざまですが、それぞれにオリジナリティーがあり、まだまだ若い(本谷さんは来月30歳、蓬莱さんは33歳)作家なので、その可能性がますます伸びることを期待しています。

次回公演予定です。
劇団本谷有希子 ”来来来来来” 本多劇場 7月31日~8月16日 
その後地方公演がありますが、残念ながら仙台では無いようです。
モダンスイマーズ10周年記念”血縁~飛んで火に入る五兄弟~” 赤坂レッドシアター 
7月17日~8月2日

興味のある方は一度観に行って下さい。
芝居は生ものですから。

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