2009年6月3日水曜日

ギャラリーと言う小さな箱

僕が写真作品を観る為にギャラリーや美術館に足を運ぶようになったのは、今から5年程前です。ですので、写真との関わりはまだ非常に少ないと思います。それでも、ほぼ毎週のように出かけて、完成されたオリジナル作品に触れたことは、貴重な経験でした。時には、日に4、5ヶ所を回ってみたり、結構無茶な見方をしていたと思っています。それゆえ、観る時間も短く、ギャラリーの方とも充分にお話も出来ないし、間違った作品の読み方をしていることもままありました。

今回ギャラリーを開設に当たり、来られるお客様と出来るだけお話がしたいと思っていました。これまで来られたほとんどの方々とは、撮られた時代の話や作品自体の説明や些細なことまで、何がしかの会話がありました。アート作品は直接その良さを感じられるものもありますが、その背景や制作過程等が理解の手助けをしてくれます。それは、写真に限らず、現代アートや古典芸術についても同じ事が言えると思います。

同じ作品を観ても、感じ方は人それぞれです。その時の体調や気分でまるで違う印象を受けることもあります。又、作品の中に作家の生き様が見えることもあります。そしてそれは、その作家のことを知れば知るほど、自然に自分の内で広がりを感じるようにもなります。

企画展として、一人やグループでの作品を展示することは、その作家の意図することをお客様にも感じてもらえるように、言葉やイメージ、展示方法等で翻訳することのようにも思えます。作品と共に翻訳された言葉やイメージが、直に観られるお客様と共有し感じ合えることが出来れば、その瞬間、ギャラリーと言う小さな箱は無限に拡がる宇宙のようにもなれると、僕は思うのです。

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