2009年8月14日金曜日

天使のつぶやき~天使の歌声

「キレイ」

3日前に書いた、天使のつぶやき。

あれから、連想ゲームのようにいろいろな言葉が頭に浮かびます。

松尾スズキのミュージカル”キレイ”、そのテーマだった”きれいはきたない、きたないはきれい。”のフレーズ、”リフレーミング”、そして、”ミニー・リパートン”。

共通することは、枠組みを取っぱらってしまうこと。

松尾スズキが作った”キレイ”は既存のミュージカルの概念を突き破ってしまった傑作です。お世辞にも演ずる役者は、歌が上手いわけではありません。でも、それは確かにミュージカルなんです。劇場の他に、何度も繰り返し、DVDで観ました。その度に新たな発見がある、そんな作品です。

その中でテーマのように使われていたフレーズが、”きれいはきたない、きたないはきれい。”です。もともとは、シェークスピアの”マクベス”1幕で魔女が歌ったものですね。
僕たちが見るあらゆるものは、見る側面によって違うというか、いかようにでも解釈出来るってことです。

そして、それはまさしく”リフレーミング”ってことです。辞書で調べると、「ある枠組み(フレーム)で捉えられている物事を枠組みをはずして、違う枠組みで見ることを指す。」とあります。

それから、僕の頭にすぐ浮かんだのが、”ミニー・リパートン”でした。

言うまでもなく、ミニーは偉大な黒人女性シンガーの一人です。歌声を聞けば、大抵の人は分かると思います。そう、天使の歌声でした。
ミニーは1973年7月、全米のシンガーやファンに惜しまれつつ、31歳の若さでがんで亡くなりました。
ミニーの人生哲学は、人々をハッピーにさせること、何事も前向きにとらえ、ポジティヴに生きていく、ということです。

死後リリースされたベスト・アルバムの帯には、ステージでしばしば話していたセリフが載っています。

「私は物事をこう見るタイプの人間なの。ミニー・リパートンのグラスは、いつも半分からっぽ(ハーフ・エンプティー)ではなく、半分いっぱい、(ハーフ・フル)と」

それは、1973年初頭に乳がん手術で片胸を切除したことを、そんな言葉で喩えてもいるのです。

ミニーの代表曲は、後年世界中のシンガーがコピーしています。あえて、曲名は載せません。一方、僕は”ギヴ・ミー・タイム”というバラードに本当のミニー自身の心情が表されている気がしてなりません。途中、ミニーが最も敬愛するスティービーワンダーがハーモニカで参加しています。

http://www.youtube.com/watch?v=kE0pwJ5PMDg

http://www.youtube.com/watch?v=VG42Iu97d5w


音楽やアートは人それぞれの見方により、その価値観は変わってきます。

自分の持っている枠を一度外してみてはどうでしょうか。
もしかすると、周りの景色までも変わって見えるかもしれません。


そして、僕は写真にもそんな力が充分に備わっているのだと、信じて止むことはないのです。

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