2009年9月9日水曜日

開発の陰にあること。

先週、トヨタのハイブリッド車の販売台数が累計200万台を突破したと発表されました。そのニュースを読むと、ハイブリッド車は1997年に発売されたのですね。何かつい最近の話かと思っていましたが、すでに12.3ヶ月ほど経っているのです。

なぜそんな印象を受けたのかは、その販売台数の推移によるものだと思います。発売当初から10年弱で販売累計は100万台でしたので、それから2年3ヶ月で同じ台数だけ販売をしたことになります。

企業側のコスト削減による価格低下や人々の環境意識の急速な高まりもありますが、やはりエコカー減税や買い替え補助金制度の効果は絶大だったと思います。増産に伴い、期間従業員も1年4カ月ぶりに採用するような発表もありました。

そんな中、問題視されているものとして、基幹部品に使用されるレア・メタルの供給と低速走行時や発進の時のエンジン音があるようです。レア・メタルについては、携帯電話を始め、他業種でもその供給やリサイクルで大きな問題になっていますね。

そして、エンジン音と言うと、電気自動車や一部のハイブリッド車の低速走行時や発進時の音量は30デシベル以下だそうです。これは、木の葉が触れ合う音に近いほど小さな音量です。このように走行音が静かなことから、車が近づいたことに歩行者が気付かず事故につながる危険性が指摘されています。

静音も含めた居住性、効率の良い燃費や環境保護を大前提に進めていたことが、思ってもいない形で危険性が指摘されることを、どれほどの開発者が想像していたでしょうか。なにか皮肉な感じがします。
業務用大型トラックがバックするときに流れる「バックします」の言葉と警告音ではありませんが、歩行者に「不快感を与えず確実に気付いてもらえるメロディーと音量」の研究・開発が始まるとのことです。

言葉に語弊はありますが、とても興味深いことです。これから先、ほとんどの乗用車が電気自動車やハイブリッド車に切り替わったそのときに、街中でその音(メロディー?)が流れているわけです。しかも、各社それぞれが違った特徴を持っているかもしれません。

まあ、統一規格のようなものになるのかもしれませんが、その適用範囲まで考えるとなかなか一筋縄ではいかないことだけは確かなようです。


目標や前提に達成するまでに、開発の陰では、それに伴うリスクも考慮されているのが普通です。リスクも大小さまざまあり、許容出来るものやそうではないものを、開発者やメーカーはほとんど知っています。

静音による危険の可能性の他にも、実際はいろいろと問題が隠されていると思います。また、これからますますコスト競争が激しくなるでしょうが、その時起こりうる弊害についてもメーカーやメディアがきちんと対応し、より消費者側の立場に立って、見える形で提示してもらいたいと思っています。

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