2009年11月8日日曜日

商品開発の陰で

11月6日のasahi.comによると、デルが個人向けノートPCブランド「Adamo by Dell」の第2弾として、「世界最薄」の最薄部9.7mm、最厚部10.3mmを実現した「Adamo XPS」を、11月18日に発売すると掲載されています。

PCに限らず、さまざまな商品の「軽薄短小」の動きは、1980年代、高度成長からの変化の一環として、消費者のライフスタイルや考え方により自然発生的に生まれてきたもので、現在もエコにも通ずるものはその流れの中にあると言えます。

PCもここ10年のハード・ソフト、インフラ等の急激な発展により、いわゆるデスクトップ型よりも携帯出来る、どこでも使用出来るノート型がその一端を担ってきたと思われます。ネットPCやB5タイプのものと比較すると、重量はありますが、今回のデルの製品は最薄なんだろうと思います。

これと対抗するアップル社の「MacBook Air」が、最薄部4mm、最厚部19.4mm(アップル・ストア13.3インチ版技術仕様から)ですので、「Adamo XPS」は平均的な薄さで際立っています。まぁ、PCはその処理能力など見た目だけでは良し悪しを判断するのがむずかしいですし、使用する人の嗜好もありますので、どちらが優れているとは言えませんが、機構、外装設計の開発にはかなり困難を極めたことは容易に想像出来ます。

さまざまな特徴(素材やデザイン等)を画面で見ながら、かなり前ですが、僕が家電量販店で衝撃を受けた製品を思い出しました。正確に言うと、漠然とした姿・形を思い起こしただけですが、気になったのでちょっと調べてみました。

それは、1998年に三菱電機が、HP社との提携により、カスタムメードの部品で製造された「Pedion」というPCでした。

スペックは今と比べれば相当に劣っていますが、最厚部で18mmと「MacBook Air」に勝っています。液晶が12.1インチと若干小さめですが、当時では十分に大きなクラスでした。
しかしながら、見た目以上に、そのスペックの低さや使用感の悪さなどにより消費者の支持を受けることが出来ず、その後改良版も出しましたが、ついには2001年にシリーズの幕を閉じることとなったそうです。

僕も当時の仕事柄、お蔵入りになった製品や事業撤退に至ったものを何度も間近で見てきましたが、開発者の落胆した表情を垣間見た時やその後の部署移動とかの連絡はとても悲しいことでした。

それでも、そんな失敗を繰り返しながら、さまざまなヒット商品を作っていることも事実としてあります。
また、ほとんどの開発者は純粋に物作りをしている人ですので、他の分野でも真摯に取り組んでいる姿を見せてくれていました。

それが無かったら、物作りなんて出来ないですからね。

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