2009年11月22日日曜日

「IZU PHOTO MUSEUM」

10月に高松宮殿下記念世界文化賞を絵画部門で受賞した杉本博司さんの写真展が、現在静岡県長泉町にオープンした「IZU PHOTO MUSEUM」で開催されています。「光の自然(じねん)」展と称された写真展では、杉本さん自らが設計した美術館外・内装とともに、カメラを使用しない「放電場」シリーズやカロタイプは発明したタルボットの当時のネガをプリントして作品などが展示されています。


杉本さんと言えば、現在世界的に知名度のある日本の写真家の一人で、写真のみならず古美術やアートには深い造詣の持ち主です。今回も美術館設計にも関わり、世界各国で行った展示会の経験を存分に生かしていると想像出来ます。U2の最新アルバムジャケットに使用されているイメージが、「seascape」シリーズの作品であることも有名ですね。

現存するタルボットのネガの多くは著名な美術館で所蔵し、文化的遺産として管理、保管されているのですが、杉本さんは15点のネガを自身で買い取り、プリントを行っています。劣化しつつあるネガを美術館は貸出しませんからね。それでも、自分で買い取ってまで、約170年前の写真に対する感動や状況を再現し、作品として表現しようとするところが、杉本さんのすごさだと素直に思います。 

「IZU PHOTO MUSEUM」は、以前このブログでも紹介した「クレマチスの丘」に新設されたものです。古屋誠一展を観に行った時にも感じましたが、少し高台に位置する丘稜に作られた庭園や美術館は、時間を忘れてしまうほど美しいものでした。現在、「IZU PHOTO MUSEUM」を含めて、3つの美術館があるわけで、ジャンルもそれぞれ違っているので、幅広い楽しみ方が出来るのではないでしょうか。

そういえば、2007年に開催された古屋誠一展が、来年5月にふたたび行われます。当時の再現らしく、IZU PHOTO MUSEUMではなく、ヴァンジ彫刻庭園美術館で行われるようです。もう一度、行きたい場所ですね。

詳細はこちらからどうぞ。

http://www.clematis-no-oka.co.jp/main.php
 
 
 

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