2009年12月10日木曜日

匂い 遠い記憶

一昨日の爆笑問題のニッポンの教養を見ていたら、何かとても懐かしい気持ちになりました。番組は「何か においます?」のタイトルで、匂いに関する最新の情報を紹介していて、訪ねて行った大学が東京工業大学(以下東工大)でした。


僕が初めて東京で一人暮らしした場所が、当時は東急目蒲線(今は目黒線と多摩川線に分かれました)の大岡山で、その駅前に東工大はありました。春先には行内にある桜を見に行ったりしていましたし、20分程度歩くと、洗足池もあり、東工大の前の通りから洗足池までがちょうどよい散歩コースでもありました。

その頃の大岡山は、高層のマンションもなく、目立って学生が多いというわけでもなく、とても落ち着いた雰囲気でした。駅前の東急病院沿いのイチョウ並木の坂道を下ったところを左折してすぐのところに、僕の住んでいた安アパートがありました。

番組では、匂いに関する分析やデータ化、そこから匂いを作り出したり再現したりする技術を見せながら、匂いの持つ意味のようなものを話していました。匂いって、人の記憶を呼び起こす作用があると以前から思っていて、僕にとっては、銀杏の臭い匂いを嗅ぐと大岡山を思い出しますね。

また、匂いは非常に弱い感覚だとも思っています。海外に行くと空港でその国特有の匂いを感じることがあります。(特にアジア圏では)それでも何日かそこにいると、それほど感じなくなってきます。変化点では非常に敏感だけど、持続性の少ない感覚なのかなと思っていました。

嗅覚は、他の視覚や聴覚とは違う脳の部分で認知していて、ある意味本能に近い、とても原始的な感覚であると言われています。また、「匂い」は感性や想像力を刺激し、快不快に直結するいっぽうで、視覚情報や先入観に左右されやすく、体調や好みなどによっても感じ方が変わってしまう、つかみどころのないものだとも話されていました。

ギャラリーに来られる方は、誰しも感じていると思いますが、常にアロマが漂っています。理由付けは色々出来ますが、良い香りの中で作品を見て頂いた方が、精神衛生的に良いかなぐらいの感覚です。最近は「アロマディフューザー」と言うらしく、仙台でギャラリーすることが決まった時に、東京の知人からいただいたものです。



この方は結構個性的な女性なのですが、何より気を遣わなくても良い(失礼な言い方かな)ので、話をしていてとても楽しいのです。また会う機会もあると思いますが、今はこのディフューザーにオイルを垂らしながら、いつも想い出しています。

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