2010年2月3日水曜日

節分の日・・・鬼って。

節分の日の今朝、仙台では雪が降っていました。節分、文字通り、季節の分かれ目を表わしています。なので、明日が暦上では立春になるわけです。春近しと言ったところですが、乾いた雪が降る様子を眺めていると、もうしばらくは寒さが続くのだろうなと感じてしまいます。


今夜、一年の厄や邪気を追い払う豆まきを行う家庭もあるかと思いますが、最近ではそんな光景も少なくなってきているのでしょうね。僕も小さい頃に、自分の年齢より1つ多く豆を食べると、丈夫な体になると言われたような記憶がある程度です。

節分と言えば、無くてはならない存在が、鬼です。大抵の場合、鬼は受け入れがたい悪の象徴となっています。実際、幼いころから聞かされる物語の多くでは、鬼は人間と敵対する相手として登場していますからね。

野田秀樹さんの芝居に、「赤鬼」と言うものがあります。かなり有名な芝居ですので、聞いたことがあるかと思います。この芝居は、何度か再演もされ、さまざまなバージョンがあります。僕が知っている限り、日本、イギリス、タイ、韓国バージョンがあり、それぞれ登場する役者の数や演出が異なります。

ここで登場する鬼は、明らかに架空の存在である鬼では無く、異文化圏の人間です。ただ見たことが無い、受け入れがたい存在の象徴として「赤鬼」と称されているのです。この場で、物語の詳細やレビューを書くととても長くなってしまうので、それはしませんが、野田さんはこの芝居で、さまざまな問題提起をしています。その手段として、日本を始め、違った言語、文化圏での演出方法の違いを見せているのではないかとも思います。

一年の厄や邪気を追い払う節分の日、いまやイベントとしての趣の方が強く、有名人や著名人が神社で豆まきをしている様子がニュースとして流されることでしょう。暗い世相や不況感を少しでも明るくしようとする試みは、それはとても良いことだと思いますし、そんな心持や気概のようなものに対しては、鬼でも受け入れたい気分にもなります。

鬼は外!福は内!との掛け声よろしく一年の厄払いをすることも良し、でも、そんな厄も含めてまずは受け入れることが大事と考えられたら、今までとは違った発見が出来るかとも思います。
だって、鬼は自分の内にあるのかもしれませんから。

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