2010年3月2日火曜日

続けること・・・。

数日前に、5月の「放浪記」公演を控えた森光子さんにドクターストップがかかり、公演中止になるとのニュースが流れていました。ネットでも新聞でも各社取り上げ、森光子さん自身の文章を掲載していました。


森光子さんは今更説明する必要もない、誰が見ても日本を代表する女優さんのおひとりです。現在の年齢は89歳になります。このニュースに掲載されていた年齢を改めて見て、えっ、もう89歳になっていたんだとの驚きの方が強かったように思います。

2か月間、連日4時間にも及ぶ舞台ですから、要する体力や気力は並はずれたものでなければやっていけません。それを、来年90歳になろうとしている女性が行おうとするわけですから、それだけですごいことです。

2005年日比谷芸術座での最終公演のDVDを今でも時々見ますが、とても80歳を越えている方の演技とは思えません。まだあの「でんぐり返し」もしていました。それから月日も経ち、2009年、芸術座から新たに生まれ変わったシアタークリエでの公演で、上演2000回を迎えたわけです。

何か年齢ばかりを取り上げていうように感じると思いますが、僕は常々これ程の長い期間主役として演じ、一定の水準で表現しつづけているプロとしての姿勢に感心し、尊敬しているのです。年齢もかさみ、近年の演技には、かなり酷評をしている方も見受けられます。もう止めた方が、逆に森光子さんの為でもあるという方もいます。

でも、僕は来年また、「放浪記」に出演している森光子さんの姿が見られることを願って止みません。続けることには、それだけで充分意味があることなのですから。

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