2010年4月13日火曜日

変わっていくんです。

昨日は休廊日であったので、ずっと置き去りにしていた免許更新に行ってきました。冷たい雨が降る中、バスに揺られて一路免許センターまでの約40分間、ずっと窓の外を眺めていました。


今から約30年前、僕はこの道を毎日バスに乗って高校へ通っていました。流れゆく風景に当時の面影を見つけようとしましたが、それは無理なことでした。まるで違うというか、本当にこの道路だったのかすら思い出せないのです。もしかしたら違う道なのかもしれません。停留所の名前も聞きなれないものばかりです。

そんなどこでもないどこかに向かっているような心持ちになってきたその時に、免許センターの建物が右手に見えてきました。当時も見ていたであろう免許センターの建物を目の前にしても、やはりその感覚は変わりませんでした。

申請から始まって、目の検査そして講習を終え、再び免許センターの入り口に立った時、時刻は午後3時前でした。そこから、もう一度周囲を見渡しましたが、何も思いだせない自分に少し呆れながらも、そういうもんだよなと言い聞かせながら、帰りのバス停へと向かいました。

当時はニュータウンという言葉がありました。そんな言葉とともに、市街地が周囲へと拡大、開発されていった最初の時期でした。免許センターはその入り口付近に位置していたように思います。僕はと言えば、毎日入ってくる新聞の折り込みチラシを見ながら、なんであんな何もない所に土地を買って、家を建てるのだろうと不思議に思っていました。

その頃の僕には、目の前のことしか見えていないし、将来への願望も漠然としたもので、なんら具体性も無かったので、このニュータウンには、10年後に駅が出来、周りも便利な商店街が入り、永久の住みかには最適ですとの宣伝文句を言われても全然ピンと来ませんでした。今はもうニュータウンなんて言われないでしょうし、あの頃の場所はすでにニュータウンでは無くなっています。すでに世代も変わり、既得権としての故郷へとなっているのだと思います。

変わるもの、変わることを拒むもの、変わっていかなければならないもの、本当は変わってはいけないもの、それでも変わってしまう形や理由はさまざまです。なんかまとまりが付きませんが、否応なくそんな変化の中で、人って生きているんだよと教えられた気分でもありました。

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