2010年5月3日月曜日

万博~その意味するところ

おととい、史上最大規模の上海万博が開幕しました。日本からもこのゴールデン・ウィーク中に多くの観光客が訪れるのだろうと思いますが、報道されるニュースを見ているとかなりの混乱や混雑が見込まれ、僕なんかいるだけで疲れてしまうような気がします。


テレビ各局ではいろいろなパビリオンが紹介されていますが、日本館や中国館と並んでスペイン館の巨大な赤ん坊の姿が良く映し出されています。ちょっと調べてみるとデザインした方が、映画監督でもあるイサベル・コイシェと言う女性で、どこかで聞いたことのある名前でした。

「死ぬまでにしたい10のこと」と言えば、一時日本でも話題になった映画です。イサベル・
コイシェはこの映画の監督をした方ですね。僕は、制作がペドロ・アルモドバルだったので、監督の名前も評判も知らずに、このDVDで観たのですが、これがまた原作を超えて良かったことを思い出しました。(原作も読みましたが、こちらは独白で日記的な書かれ方だったので、ちょっと感情移入が出来ませんでした。)

さて、その巨大な赤ん坊は現代美術家のロン・ミュエック程は極限的にリアリスティックではありませんが、充分すぎるほどの克明さや表情の豊かさを感じます。ハリウッドの映画関係の協力で作られたと言いますが、ただの作り物になっていない所がすごいなと思います。間近で実物を見た場合、ちょっとした表情から、その意思や感情までもが伝わって来そうな気がします。

万博は各国の現在の技術、芸術、文化を表現する場として開催されたと言われています。これは、技術、芸術、文化は常に密接な関連性を持って、未来へと繋がっていることを意味します。一見関連性が無いように思われる芸術と技術ですが、実は先に発生する方は芸術であるのです。芸術家は自身の思い描く世界や現象を、想像から創造へと変え、表現しているわけですが、その一見奇想天外であったり、突拍子もないものから発想を受け、技術として一般に伝わるケースが多いのです。そして、それが独自の文化となって集合されるように思います。

これは逆に言えば、芸術、アートが理解されない国や地域には、文化は育たないことを意味します。日本はそんな国では無いと思いますが、よりグローバルでフラットな世界へと向かっている現在、取り残されていく事だけは避けなければいけないと感じます。

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