2010年5月14日金曜日

The Melody At Night, With You


僕はそれほどのジャズ好きというわけではありませんが、少し気が滅入ったりしてくると引っ張り出してくるCDがあります。誰もが知っていると思いますが、ジャズ・ピアニスト キース・ジャレットの「The Melody At Night, With You 」というアルバムです。


ジャケットのイメージも好きなのですが、中腰で少し前かがみになりながら、スタンダードをひとりで弾いている姿が目に浮かびます。キース・ジャレットを有名にしたのは、プログラムの一切無い完全即興によるピアノ・ソロ・コンサートで、それをそのままレコーディングした「ザ・ケルン・コンサート」のCDではないかと思います。とても素晴らしいアルバムですが、僕には時折聞こえるキースが出すうめき声がちょっと耳に障るように感じられます。


この「The Melody At Night, With You 」は、1996年に発症した慢性疲労症候群という聞きなれない病気からようやくピアノが弾けるようになり始めた1998年に、自宅のスタジオで録音されたものです。とっても優しく、そしてピアノをいとおしそうに弾いている感じが好きです。ちなみにこの作品は療養中彼を献身的に支えた妻のローズ・アン・ジャレットに捧げられていると言われています。

今も聞きながら、この文章を書いています。別に気が滅入っているわけではありませんので、ご心配なく。いつもと変わらぬ朝、一日の始まりです。

0 件のコメント:

コメントを投稿