2010年7月12日月曜日

今やれることは、今しないと・・・。

今日はお休みです。昨夜はテレビではどこも参議院選速報番組でしたが、世間の人たちの移ろいというか評価の振れ幅は大きく、きびしいものだなと思わせてくれました。人気や知名度だけでは支持されない風潮は今回が初めてではないにしろ、その傾向は強く示されてきているような気がします。


そんな中、劇作家のつかこうへいさんが亡くなったニュースが今朝流れていました。今年の1月に肺がんに罹っていることを公表し、それでも舞台の作・演出を行いながら、闘病生活を送られていました。まだ、62歳だったと言います。

つかさんとは全然面識もありませんが、舞台を観た印象としては、まさに「激情」という言葉がぴったりでした。本人がそうだったのかは分かりませんが、稽古で「口立ち」で演出している姿を時折メディアで紹介されるのを見ていると、そんな感じがしてなりません。舞台でも、突然に何の脈略もないまま、大音響の中歌やダンスが始まったりするので、観客も一瞬取り残された感覚を持ってしまいます。しかしながら、実はその唖然として瞬間から既につかさんの演出に嵌められてしまっていることが多いのです。

つかさんは80年代に一躍演劇界の寵児のようにもてはやされ、その他映画や小説分野でも活躍されていましたが、その実、若手役者の育成や起用に力を入れている方でもありました。よく今売れている若手の男優やアイドル系女優を起用し、話題性のみで舞台を作ったりしているのが見受けられますが、つかさんのそれは全く違っていたのではないかと思います。

アングラ演劇第3世代と言われていますが、昭和の香りがする作家がまたひとりいなくなりました。あっ、まだ、唐さんや蜷川さんは頑張っていますね。

それにしても、62歳とは・・・。

可能性は無限でも、時間は有限です。

今やれることは、今しないと・・・誰にも先の事は分からないのですから。

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