2010年7月21日水曜日

日々秘かに望んでいること。

昨日、8月に開催予定の”Story vol.2”企画写真展のプレス・リリースを関係する方々にようやく送りました。オープン以来、公募展”Sha-gaku”までは、既に東京で開催された写真展の中から僕自身が実際に見てきたものを中心に選んで、巡回展のような形で行ってきましたので、プレス・リリースやDMに関しても、その時の資料を参考にしながら新たに作成してきました。


“Sha-gaku”からはギャラリーとしてのオリジナル企画です。参加する方についても、これまでギャラリーに来ていただいていた方であったり、始めてお会いする方になるわけです。しかも顔は知っていても実際の写真作品を見るのは、ほとんどが始めてですから、その作品性や表現性といったものを理解し、それを全体的なイメージも含めて文章としてまとめたり、DMとしてデザインする作業は楽しみでもあり、困難なものでもあります。

以前、伝えたいことと伝わることの違いみたいなものを書いたと思いますが、実際のところプレス・リリースやDMによってどのような印象や感想を持つかを計ることは、非常に難しいですね。ひとつのことを100人が見た時に、感じることは100通りあって良いわけです。それに、説明以外の考えや思いは、なかなか伝わらないことの方が多いですし。

その為に、ステーツメンツに近いようなものや実際の会話の中から、その人の作品に対する考えや伝えたいことなんかを探る作業をし、僕なりの言葉でもって新たに表現し直しているわけです。それにしても、ストレートに伝わる部分とそうでない部分は事実としてありますので、どんなに綿密に表現したとしても、僕自身、100%伝わるものではないと思っています。

そうは言っても、わざわざギャラリーを訪れて、作品を見に来て下さったお客さんには、全てが伝わって欲しいとも思っているわけで、いつもどこかでそのギャップを持っていることは確かです。また、こうした狭い空間の中で、少人数の方に対して作品をお見せするという行為自体、現在の世の中の流れとは対極にあるんだろうなとも思います。

じゃあ、何故こういうギャラリーをしているかということになるのですが、たぶんその時、この場所でしか得られないその人にとっての大きな何かが、そこにあるかもしれないことを信じているからなんでしょうね。例えば、その人の一生を変えてしまうような何かというか、それに近いものですが・・・。

DMやサイトで偶然目にして、そこに載っているイメージや言葉に興味を持ち、実際の作品に触れ、もしそんな出会いを見つけたとしたら、それだけで良いような気がします。だって、そういうことって、日常的に眼にすることはほとんどないですからね。

そんな瞬間に立ち会えることを、日々秘かに望んでいるのです。

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