2010年10月3日日曜日

アート作品を購入すること

昨日からハービー・山口、ヨーガン・シャドバーグ Two in One in Englandが開幕しました。毎回来ていただいている方を始め、ハービー氏の作品を目当てに久しぶりに見えられた方など、まぁボチボチといったスタートです。2カ月の会期は一般の方には長いように感じられるようで、特定の期間に集中して来られることはあまりありません。


ハービー氏もヨーガン氏もプロの写真家です。このような展覧会を開催するには当たり前ですがそれなりの経費が発生します。展示作品は鑑賞していただくと共に、購入してもらうことでギャラリーとして成立するのですから、その為に会期は長めになっているわけです。と言っても、日本の写真全体の環境を考えると、投資やコレクションを目的とされている方は非常に少ないのが現状です。

日本の文化環境全体は、首都圏一極集中で行われてきたこともあり、地域にとってはますますその市場を小さくしています。まぁ、簡単に言うと、購入することに慣れていないと言って良いと思います。人は何かモノを購入する時に、誰でも費用対効果を考えます。自分が考えた通り、そこから見合ったものが得られるかどうかです。それは、個人よりも組織、会社にはもっとも重要なポイントになります。

言葉を変えるなら、写真を始め多くのアート作品を購入した時に、その人に対して何をもたらしてくれるかと言うことになります。作品の価値は、とてもパーソナルな部分に依存していると思っていますので、その部分が非常に難しいですね。ひとつの回答としては、作品という形あるものから、無形の感動や喜びそして共感、癒しといった気持ち的な高揚や安らぎを得られるかどうかだと僕は思っています。そして、そんな作品に出合った時に手にしたいと感じるのです。

乱暴な言い方ですが、おいしいものを食べてからだと心が満足するのと一緒なのです。唯一違う点は、作品が目の前にずっと残っている点とそれを見るたびにその時に受ける印象や感じる部分が違ってくることです。そして、その感覚は、所有者にしか分からないもので、しかも他の人に説明しにくいものでもあります。

僕は、多くの人に、そんな出会いをしてほしいと思っています。

そして、それは制作する側の願いでもあるわけですから。

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