2010年11月17日水曜日

展示会の紹介です。

今日は少し毛色の違う(写真ではないという意味で)展示会のご紹介です。

展示会毎にいつも来て下さっているステンドグラス作家の野田律子さんの個展です。


僕は常日頃写真作品に触れ、年中そればかりを考えていたりすると思われがちですが、写真以外のものも努めて見ようとしています。理由はいろいろあります。物理的にモノとしてのアート作品に触れてみたり、インスタレーションを見たりして、単純に気分を変えたいと思うことの他に、何か今までは気付かなかったことや新たな考えが浮かんだりはしないかと思っているようです。


昨日もゆっくりと雑談をしながら、野田さんが話された「写真って難しいですよね」との一言がずっと頭に残っていました。確かに、写真は誰でも撮ることが出来るし、本来持っている記録としての役割から作品としての表現へ変わることには、誰しもが理解出来るものではないのかもしれません。ここで言っている「理解出来る」とは、作家が伝えようとしていることや思いといった形として現れていないものに対してであって、イメージから受ける感情や感覚についてではありません。

見る人は先ずイメージに強く惹かれるもので、出会ったその瞬間がとても大事なものになります。これは写真に限らず、どのアート作品にも言えることです。それでも、写真家はイメージそのものに、自分自身の感情や考えを表現しているとは限りません。むしろそうでない場合の方が多いように思います。

つまり、表層として見える部分以上に、そこから想起される世界観や感情の揺れといったものを伝えようとしているわけです。しかしながら、その思いは、独りよがりであったり、ごくごくパーソナルなものである為に、結果として理解されないことになる場合が多いのです。そういった展示会を見て来ている人たちにとっては、「写真って難しい」となることは当たり前のことだと思います。

これは、野田さんがそんな展示会ばかりを見てきたと言っているのではありません。敢えていうなら、写真を作品として制作し創造するものは、意識して伝えることを考え、「見せる」必要があるのでは、ということで、そこを無視していたずらに発表を繰り返しても、見る人にとっては、やはり写真って一部の人にしか分からないものなんだよねとしか思われないと言うことです。

さて、野田さんの作品展は、民家のようなカフェを会場に行われるとのことです。何か野田さん自身の紹介をしていないので申し訳ないのですが、タイトルのように、さりげない美しいものがきっと眼に出来るのではないでしょうか。

僕も自転車をひとっ走りさせようと思っています。

興味のある方は、是非行かれて下さい。



工房 碧(あお)のステンドグラス作品展 -ちいさいものたち-

2010年11月28日(日)~12月3日(金) 11:00~16:00

カフェ gratitude(グラティテュード)

仙台市青葉区梅田町1-56 tel: 090-2957-7263






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