2010年11月20日土曜日

色鮮やかなモミジ達

今年の紅葉は例年以上に色鮮やかできれいなようです。テレビから流れていた京都のモミジは、画面で見る限りでも真っ赤に染まっていました。


紅葉は秋口から光合成により蓄積された糖分が更に紫外線により赤く変化すると、どこかで読んだ覚えがあります。それだけで、赤く色づくのかと気になり、ちょっと調べてみたところ、離層という組織の発生が大きな影響を与えていることが分かりました。

紅葉の後、葉は落ちるわけですが、葉の根元できれいに落ちることに以前からとても不思議な感じはしていました。どうやらその切り離し面を離層といって、紅葉の前に植物自ら作るもののようです。離層は葉にある水分や糖を幹へ流れて行くことを妨げ、その結果として紅葉が起き、離層の出来により色づき方は変わると言います。

今年は季節による寒暖の差や11月の雨の影響で、色鮮やかな紅葉には好環境だったわけです。それにしても、紅葉って、落葉樹にとっては、葉が落ちる前の一大イベントのような気がするわけです。もちろん自発的にというか、もちろんモミジ自体はその考えを持って、離層を作り、今年も赤く色付こうと思っているわけではありません。その全ては生存のために行われているものです。

それでも、僕はそんな行程(行為?)に一種の潔さや尊さのようなものを感じてしまいます。植物は一年一年生まれ変わるわけで、その寿命はやはり一年しかないと言って良いと思います。毎年繰り返し行われることですが、何か最後のあで姿を見せる為に生きてきたような気もします。

自然は非常に身近で、ごくありふれた情景のように僕たちの前で立ち居振舞っています。しかしながら、そこに到るまでのメカニズムや構造はとても複雑であり、意味深いものであるのです。しかもその行いの全ては純粋に生きるという一点にあり、なおかつ僕たちの目には決して見えないものなのです。

だからこそ、人はみなその姿を美しいと感じるのかもしれません。

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