2010年12月12日日曜日

懐かしい思い


昨日北京で行われたフィギュアスケート、グランプリファイナルで優勝したアメリカのアリッサ・シズニー選手がフリー演技で使用した曲です。1982年にリリースされたジョージ・ウィンストンの「WINTER INTO SPRING」というアルバムです。その中の1曲目を使用していたと思うのですが、とても懐かしい思いがしました。


ジョージ・ウィンストンは当時ニューエイジのジャンルで紹介されていましたが、他のイージーリスニング系のそれとは明らかに違った印象を受けていました。今はあちこちで耳にする「癒し」が言葉となって現れた頃のように記憶しています。

その頃はまだレコードでしたが、針を落とした瞬間、強い衝撃を感じたことを、今でも覚えています。そういうアルバムは何枚かあって、最初の一音でその世界観を感じてしまえる類のものです。

何故かこのアルバムを聴くと、同じアメリカの画家のアンドリュー・ワイエスの絵が浮かびます。言うまでも無くアメリカを代表する写実派の大家ですね。彼のオリジナルを見に行ったのは、確か渋谷の文化村で行われた展覧会でしたが、すでにアルバムを聴いてから10数年経った頃だったように思います。

その時も、描き出される荒涼とした大地や草木に、実際の風や匂い、砂埃といったものが感じられ、同時にこのメロディーが頭の中に流れてきました。とても不思議な感覚だったのを今でも覚えています。共通しているのは、どちらもアメリカの原風景を表現している点でしょうか。

そして、昨日偶然テレビから流れてきたその曲は、既に30年近く経っているのに、僕が当時感じた印象や感覚をハッキリと思い起こさせてくれました。これって、素直にスゴイことですね。

もし僕が紹介する写真や展示会を見て、そんな感じを持ってくれる人がひとりでもいたなら、少しはここにギャラリーを置いた意味があるかなとフッと思わせてくれました。

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