2011年2月17日木曜日

「人間力」

つい先ほど、日本人宇宙飛行士の若田光一さんが、国際宇宙ステーション(ISS)のコマンダー(船長)を務めるニュースが流れていました。2013年末から約半年、長期滞在搭乗員としてISSに滞在し、後半の2カ月間、船長を務めるようです。もちろん、日本人としては初のことですし、アメリカ、ロシア以外でもあまり聞いたことがありません。


過去3回の宇宙飛行の実績が評価されたことが第一なのでしょうが、言葉や文化といった壁を乗り越え、人柄や周りからの信頼といった点でも優れた人なのだと思います。人柄はある程度持って生まれた資質のひとつで、年齢を重ねるとともに個性と相まって出てきますし、環境がそれを育てるとも言えます。それゆえ、性格と一緒で人生の中で何度も大きく変わることはないのだと思います。

信頼はその人自身の言葉や行動といった日常的な部分や仕事に対する考え方、その実践能力から自然発生的に生まれるものです。しかも、言葉や理論といった口先だけ、頭だけでは本当の信頼は得られません。自らが先頭を切って行動として表わしたり、責任の所在を自分自身に課したり、変わらぬ考えや評価を誰にも公平に示し続けられることが必要なんだと思います。

ISSは、誰もが想像出来るように、世界各国から集まった優秀な人間の団体です。ですから、その中で優秀であることは当然のこと、つまりそこだけではない部分が重要なポイントになるわけです。それは、単純にコミュニケーション能力の高さや判断力の早さだけでは計れないものです。言葉として表わすのは難しいのですが、その人の持つ「人間力」の大きさ(深さも含めて)と言ったものなのかもしれません。

人は強さと弱さ、決断と躊躇等の相反する感情を同時に持ちうる矛盾した生き物です。それ自体が、人が人として或る理由のひとつでもあり、本能が命ずるままに生きているわけではありません。自分だけが良ければと考え、行動すれば、本人にとっては一番良いのでしょうが、そうではない方向へ行動してしまうこともありますからね。

若田さんは、人種や性別とは関係の無い「人間力」が認められたのだと思います。それには、並大抵の努力では無かったでしょうし、おそらくはコマンダーという役割をひとつの目標にしていたのではないかと思います。

さて、僕はと言えば、そのニュースを耳にして、単純に嬉しく思い、すごいことだなと感嘆して、自分には出来ないことだなと考えながら、こんな文章を書いているわけです。しかも、「人間力」は自ら鍛えたり、人から鍛えられて育つものではなく、日々日常での過ごし方、その時々の人との接し方、物事をどれほど深く考えられる、或いはその逆に単純にそう思えるといった普通の暮らしぶりから生まれるものです。

僕としては、少しでも大きくしたい、先ずはそう思い、出来ることからやっていくしかないなと考えています。
遅すぎるなんて、思う必要も無いですしね。

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