2011年2月19日土曜日

ツボにはまる

ツボにはまる、ツボにはまった。


急所を外さない、勘所を押さえる、またはその逆でそのような状態になった時に使われる言葉だと思いますが、初見の作品を見た時にそれを感じることがあります。有名、無名に関わらず、見る側が作家自身を知らないことはよくあることですから、純粋に作品から受ける感覚なわけです。

Sha-gakuに参加されているメンバーそして作品のほとんどは、知り合いの方以外には初めて目にし、触れられるものです。この場に知り合いの作品を見に来たついでぐらいに、と思って来られる方がほとんどだと思います。その中で、これまで経験したことが無い、感じたことも無かった感覚に捉われ、まさにツボにはめられた状態になる場合があります。

それは、そうそう多いものではなく、むしろ大概は思いがけず訪れるものです。自分自身の趣味嗜好は、案外これっといった明確なものではなく、何となくとか漠然としているもので、そのぼんやりとしたものが、目の前で明確になる瞬間でもあるのです。

例えば、私は赤が好きですといっても、ただ赤一色の絵や写真を見せられて、素直に驚きや感動を受けるかといえばそうではありません。多くの人は、その中に何らかの要素が入り込み、その加減や構成や展開により、全体の印象として好きか嫌いかを判断します。なので、同じ赤でもこういった使われ方はちょっとねとか感じるわけです。

じゃあその理由はと聞かれると、個人的にはその人自身の感覚でしかないと考えています。特に初見の場合は、作家の業績、制作意図といった付帯情報はほとんどありませんし、よほど著名な方以外は事前に調べる理由もないからです。

そしてそのような感覚は、誰にも批判されたり、非難されたりするものではなく、自らの嗜好や感情のひとつとして素直に受け入れるべきだと思います。決して、他人がそれを良しと理解しなくてもです。社会的影響のない、いわゆる個人的な見解ですから。

作家の場合は、誰にも好かれず、認められないと凹むものですが、これが今の自分自身であることを素直に認め、さらに考える作業をしなければなりません。一方、見る側にはそんなことを要求はしませんし、理論武装し話したところで結局は押し付けにしかなりません。

だから、見る側は作家以上に自由であり、もしツボにはまった状態になっても、それを楽しめば良いのです。そして、個人的に興味を持ち、共感出来うるのであれば、その作家を応援してあげて下さい。これもまたそうそう出来ることではないのですから。

Sha-gakuも残り2日です。もしかすると、そんな経験が出来るかもしれません。

是非、お越しの上、自身の眼で確かめて下さい。

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