2011年3月5日土曜日

欲求

このところお天気が冬に逆戻りして、雪は降るは、風は強いはで寒さに凍えていました。ギャラリー内も大型のエアコンは、一所懸命動いてはいるのですが、何かうすら寒い感じがしていました。奥の部屋は、扉を閉じていると暖房が利かなくなるので、お客さんがいない時は開けたまま、事務やら雑事をしているわけですが、ここ数日はコートを着たままPCの前にいる次第です。


元々痩せていることもあり、寒さには強い方ではなく、かと言って暑いのも嫌なので、これから時期来る春が季節の中では好きな方です。ぼんやりと暖かくなり、陽だまりにじっとしていると、何か、閉じこもっていた気持ちや心、身体が解放される気分になります。自転車を走らせていても、柔らかく心地よい風が身体中を包み込むようで、それだけで表に出たくなります。

だから、春よ早く来いと、舞っている雪を見ながら願っているのです。一年中春のような気候だったらそんなことは思わないのかもしれません。メリハリというように、厳しい冬があってこその思いなのでしょうね。でも、一年中冬だったら、僕はどう考え、生活しているのだろうなとも考えてしまいます。おそらくは、逃げ出してしまうような気がします。

自分にとって心地よい環境や過ごしやすい場所を求めて移動することは、出来る出来ないは別にして、誰もがしたいのだと思います。心地やすさや過ごしやすさは何も気候だけではありません。やはり、そこには、自分にとって便利なもの、安らげること、興味の対象といったものがなければ、行きたいとは思わないものです。

つまりは、自分の欲求がない限りは、ここから出ようとはしないし、逆に欲求を満たしてくれているのであれば、やはり出ようとはしないのだと思うのです。欲求と書いてしまうととても下世話な言い方のようにも感じますが、僕は実はここが大事な部分だと思っています。表現なんて、ほとんどはそこから生まれているようなものですから。

そして、自分自身だけの欲求によって生まれたものが、他者を感動させたり、感心させたり、喜びを感じてもらえたりしたら、ある種の価値あるものに変わるわけです。

極端な話、アートってそんなものなんだと思います。

難しい顔をして、思慮深げにそれらに接する必要なんてないのです。

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