2011年4月26日火曜日

楽しくも悩ましい時間の始まり

いよいよ展示にかかります。


本日、午後に作品が搬入され、事前に検討したある大まかなレイアウトに沿って作業を行います。今回は、作品個々のイメージ確認作業と実際に壁面に合わせた時の感じをつかむことから始まります。本来、全ての作品イメージを事前にもらい、展示のコンセプトやテーマに則した構成を考えるのですが、今回はちょっとバタバタとしていて、概要のみを検討していたので、頭の中でのイメージと実際の違いがどれほどあるかがポイントになってきます。

Sha-gakuのように公募で行う企画展の場合も同じような状況で行う場合が多いので、その辺りは経験と慣れが物を言う世界なのですが、何が起こるかはその時々で違ってくるし、毎回ドキドキとする部分ではあります。

作品性とそこから生み出される世界観は、展示構成によって大きく違ってきます。時に意表を突くようなやり方を見かけますが、僕の場合は、出来るだけ自然にその世界に入ってこれるような形にしたいと考えています。なので、自分がギャラリーに足を踏み入れ、ぐるりと眺めた時の感覚を大事にします。そして、出来るだけ客観的に見るようにするわけです。

それから、作家の思惑や意向と違っていないかを確認します。確認と言っても、僕個人の感覚によるところが大きいので、この辺りは今までどれほど作家とコミュニケーションが取れているかに依ってきます。

そういった意味では、本当に大事な部分は、展示前に既に確認し終えているのが望ましいし、実際の展示では詳細の作業をお互いにするだけ、というのが理想です。それまでに、作品だけではなく、作家自身の人柄や制作に対する姿勢や考えといったものを理解する必要があるわけです。このことがお互いの納得感に繋がってきます。

これって、個展に限ったことではありません。グループ展の様相をしている企画展についても同様です。全体としてのまとまりは必要ないのと言われそうですが、あまり気にしていません。むしろ、個々の作品、展示について、熟慮した方が結果としてうまくいく場合が多いものです。

何はともあれ、楽しくも悩ましい時間が始まります。

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