2011年11月26日土曜日

今日は5人目、最後の紹介

今日は5人目、最後の紹介になります。宮城県大崎市在住の小出一郎さんです。


小出さんと関わりはギャラリー開設前に仙台に来た時に、彼が所属しているグループの写真展で作品を見たことがきっかけです。その時に見たモノクロ描写の美しさと構成の見事さに魅かれたのと写真から浮かんでくる普遍的なものに、これまで僕が思っていたことと同じ匂いを感じたのです。

一旦東京に戻り、連絡を取ったのですが、結局仙台に来るまでは会えませんでした。ギャラリー開設間近のある日、彼から連絡が入り、既に展示も済み、オープン前のギャラリーで会ったのが本人との出会いでした。ギャラリー初めてのお客さんが彼だったわけです。

そこからの付き合いで、何度か出展をしてもらいました。今回はその中から、初めて出展してもらったSha-gakuでの作品と現在のフィールドワークとなっているiPhoneによる写真作品を紹介したPhotoShowcaseから、新作も含め、展示する予定です。

Sha-gakuで発表した作品は僕が初めて目にしたものに近い、モノクロの美しさが良く出ているインクジェット・プリントです。一見すると銀塩と見まごうばかりですが、その技術以上に一枚一枚が絵のような完成度を持ち、見る者に迫ってきます。

一方、PhotoShowcaseでの作品は全てiPhoneで撮影、編集し、プリントしたものです。いまやiPhoneは多くの人が使用し、撮影をしている方もいますが、プリントとし作品化することはほとんどありません。せいぜい、ネット上に掲載するぐらいで、記録する為の道具として扱われているのだと思います。そんな世間の状況の中、彼には既存の写真という枠組みでは捉われない自由さとそれにより誰しもが表現する喜びを感じられる可能性を、自らが体現しているように思えるのです。

いずれも、同じ人間が違う側面を持ちつつ、それらを表現し、作品化したものです。

表現することのオオモトは誰でもなく自分自身へ向かっているものですが、それらを発表することで他者との繋がりを意識し、その中で共感が生まれることで、世に受け入れられるわけですが、それが何であっても良いのです。

大げさな言い方ですが、彼は写真の中にそれを求め、新たな価値を生み出そうとしているのです。これはとても勇気あることでもあるのですが、本人はいたって楽しみの中にいるだけなのかもしれません。(怒られそうですが)



さて、写真やカメラが好きで、自分を表現したいと考えている人たちは少なからずいて、発表も考えているわけですが、くだらない枠組みに思い悩んだり、自分自身に言い訳をする前に、動いてしまうことも大事なことだと僕は思っています。

そのことは、彼の提示する作品を見てもらえれば、きっと感じられるはずです。





○Gallery Selection 2011

 Scene-1 2011年12月3日(土)- 12月25日(日)

      13:00-19:00(25日は17:00まで)、月曜日休み

   Scene-2 2011年12月27日(火)- 2012年1月22日(日)

      13:00-19:00、月曜日、12/31-1/4 休み

入場料 ¥300 期間中何度でも入場出来るパスポート制です。

http://kalos-gallery.com/exhibition/next_exhibition.html

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