2011年11月4日金曜日

コース料理

何となく今日は月曜日の気分です。昨日が祝日であったこともありますが、それだけではない感じです。もっともONとOFFの区別があまり無い生活をしているから、マンデー・ブルーのような感覚はないので、少し気が抜けているだけなのかもしれません。


福島さんの個展はまだ3日目を終えたばかりです。お客さんもぼちぼちと来られている状況です。グループ展の場合、参加者それぞれの知人が来られるケースが多いので、そこそこお客さんは来られます。友だちが展示しているから行ってみるか、ぐらいの乗りで来られるわけです。

そうして来られるお客さんも、友だち以外の作品を見られるわけで、ここで何か感じるものを得られたならそれで良いと思っています。もちろん友だちの作品に関して、これまで知りえなかった部分を見ることも出来るでしょうし、某かの感情を持つはずです。そういった意味では、グループ展はアラカルト料理であって良いのです。

今回は個展です。個展の場合でも、ひとつのテーマ・コンセプトに限らず、多種多様さを見せるような展示会はあります。いわゆるその人自身に焦点を当てたものがそれに当たります。この場合、全体の印象がやや漠然としてしまう恐れがあります。人はその時その時で変わっているもので、作品にもそれが現れるものだからです。

全てがその人自身であるわけですが、見る側の受け取り方はやや違っています。特に気に入ったシリーズや印象に残った作品がある場合は、それ以外の作品を目の前にした時に、一種の戸惑いを覚えます。経験や知識が新たな創造に対して、無意識下で拒否感を持つのですね。

そうではないひとつのテーマを持つ個展は、タイトルから始まって、展示方法や全体としてのコンセプトに統一感を求められます。統一感と言っても、何か同じようなものをただ漫然と並べれば良いわけではありません。乱暴な言い方ですが、個人的にはコース料理であって欲しいと思うのです。

コース料理にもさまざまな種類があり、あまり重いものばかりだと胃がもたれてしまいます。軽すぎても、物足りなさを感じます。力強さや弱さを含み、時に優しさや美しさを備え、さまざまな感覚が刺激しあい、深い余韻が残る、そんな料理が良いのです。

この場では、誰しも、ただお腹を満たすだけの料理を求めていませんから。





○福島隆嗣写真展 「恐ろしいことを考え続けるための都市実践」

 2011年10月30日(日)~2011年11月20日(日)

 13:00~19:00、月曜日休み、入場料 ¥300

 期間中何度でも入場出来るパスポート制です。

http://kalos-gallery.com/exhibition/current_exhibition.html

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