この作家だから許せる、この監督しか描けない、そんな類の作品があるものです。
昨夜、ようやく新藤兼人監督の遺作「一枚のハガキ」を観て、改めてそう感じました。物語はいたって単純で、戦争シーンをひとつも交えず、戦争の愚かさや恐ろしさ、人間の弱さや強さを描いた作品です。
やや芝居じみたせりふ回しの演出も僕にとっては違和感がありませんでした。出ている役者が皆いいんですね。ちゃんと演じきっているんです。
でも、それらの役者を束ねて、しかも反戦というテーマで、あれほどまでにユーモラスな描き方をしてしまう監督のすごさを感じずにはいられません。反戦映画って数限りないほど作られていて、新藤監督も一貫してその姿勢や考えを、独立プロとして発表し、国内よりも国外で認められてきました。この独立プロって言うのも、すごいことなんですね。
何しろ映画ってお金がかかるものですから、スポンサーがいないとやっていけないわけで、それには継続的に作品を発表し、もちろんそれらが認められないといけないのです。亡くなるまで、ずっと行ってきたことには敬服するしかありません。
だからこそ、許せるんです。良い作品を見せてくれて有難うと言いたくなるのです。
キャリアって中身が伴ってこそのものだからね。
Hope for tomorrow 写真展 “Chapter-2”
2013年1月19日(土)- 2月11日(月・祝日)
13:00~19:00、月曜日休廊(最終日は除く)
13:00~19:00、月曜日休廊(最終日は除く)
入場料 \300(期間中何度でも入場出来るパスポート制)
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