2013年5月12日日曜日

離見の見


能の世界で、「離見の見(りけんのけん)」という言葉があります。

自分の姿を左右前後から、よくよく見なければならないと言う意味で、「見所同見(けんじょどうけん)」とも言われます。見所は、観客席のことなので、客席で見ている観客の目で自分をみなさい、つまりは自分自身を客観的に見て、判断しないといけないと言うことです。

昨夜は、オープニング・パーティーで、個展開催のお祝いの場でもあるわけですが、ギャラリーを通して知り合った同じ志を持つ人たちが集い、発表した作家にとっては、作品やその世界について感じたことを、忌憚なく聞き取れる場でもあります。

実際は飲み会のような様相で、でたらめでは無いにしても与太話の方が多いのですが、その場から離れるようにして、何人かが作品の前で思い思いに語り合っている姿を見かけます。僕はただ何も言わずに黙って見ているだけですが、作家というのは基本貪欲な生き物ですから、生き生きとして話に入っているように思えます。

その中の一言一言を自分で咀嚼し、更に自分で考えることが、発表の持つ大きな意味でもあるのです。人間、前は見えても、後ろ姿を見ることはなかなか難しいですからね。

そうやって、さまざまな面が見えてくると、更に世界は拡がり、お金では買えない財産になっていきます。
そして、後に続こうとしていく人たちへの糧となっていくのだと、僕は思うのです。



樋口清之写真展 「溶け出すように」
2013511日(土)- 62日(日) 
13001900、月曜日休廊
入場料 \300(期間中何度でも入場出来るパスポート制)





Sha-gaku vol.6
2013615日(土)- 77日(日) 
13001900、月曜日休廊
入場料 \300(期間中何度でも入場出来るパスポート制)


オープニング・パーティー

615日(土) 1900 – 21:00(延長あり)
場所:ギャラリー内 参加費 ¥300(入場料は別にお支払いいださきます)
予約不要、入退出自由、差し入れ、持ち込み大歓迎!!

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