2014年3月8日土曜日

考える力

写真は目の前にあるモノの一瞬間を撮るものです。

そこには遠い過去や未来は写っていませんし、かといって今この時の出来事でもありません。大抵は近しい過去の残像であり、撮った人間はそれらを見ながら、改めて自分の記憶を辿ることになります。

長い期間、同じテーマに沿って、写真を撮ったとして、その時々で細かな部分での視点や構図、アングルや距離感が違ってくることは良くあることです。情報の重層化を狙って、意図的にそのようにしていることもありますが、自分の中のさまざまな記憶が、時を経るに従って、徐々に堆積し、そこから残った上澄みの中に、違った観点が見えてくるからではないかと思っています。

最初は、がむしゃらに整理も無しに撮り続けていても、やがて、そこに写ったひとつひとつを見るにつけ、取捨選択を繰り返すことになります。それは、ある意味、感覚的な作業のような気がします。そうして、上澄みのように残ったものを、更に蒸留(純化させる)ために、今度は頭で考えます。その結果として、前述したことが起きるわけです。

アートはよく感性の産物のように言われますが、確かにその通りだなと思えるモノもあります。でも、写真は、それらが作品となり、何らかのメッセージを持つためには、感性だけではない、考える部分が不可欠だと思っています。これは初めにテーマありきの場合に限ったことではありません。


自分の写真を作品として発表を考えている方は、考える力を持つべきだと思います。決して、写真家の方が、考えなしで発表をしているとは思っていませんが、これからそうしたいと思われている方は、いろいろな写真を見て、写真以外のアートや全くそうではないものに触れるべきだと言うことです。


2回目の週末。

ここにも、頭や身体を刺激し、考えるきっかけになる作品があります。





○「PHOTO(仮)」企画参加者募集中!!
 
4つの単語から、新たな創造を!!
PHOTO(仮)

皆様の参加を心からお持ちしています。




Sha-gaku vol.7 Act-2
201431日(土)- 330日(日) 
13001900、月曜日休廊
入場料 ¥300(会期中何度も鑑賞出来るパスポート制)

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